演劇って実はラーメンなんです?
- M.S.
- 2016年7月2日
- 読了時間: 4分
後藤ヒロ役の私がちょいと書き綴ります。
僕はラーメンが大好物なんですが、みなさんはラーメンと言ったらどんなものを想像しますか?一言にラーメンと言っても、しょうゆ、味噌、とんこつと、スープだけでも様々な種類がありますし、もしかしたら油そばのような汁なしを思い浮かべる人や、ひょっとしたら冷やし中華系統の冷麺もいるかもしれませんね。
私はラーメンと言ったら、豚肉などの出汁に醤油味のタレを加えた濃厚なスープに、分厚い焼豚やタワーの如く野菜をのせた、いわゆる二郎系のラーメンを思い浮かべます。むしろそれ以外はラーメンじゃない(と言ったら全国のラーメン屋さんに怒られそうです)。
さて、なぜここでこんな話を出したかというと、別にラーメンについてアツアツと語ろうというわけではなく、辛夷の演劇はラーメンに例えられるのではないかと最近気付いてしまったからなのです。これからここで言うラーメンは、アツアツのスープに麺と具をのせた、一般的な醤油ラーメンだと思ってください。
まず最初に麺が無ければラーメンとは呼べませんね。これは演劇でいうところの「キャスト」です。ラーメンの主役であり、演劇でのメイン。演技する人がいなかったら、それは言うまでもありません。麺は茹でれば柔らかくなって食べられるようになります。キャストも演技練習すればどんどん上達していきます。茹でる=練習! バリカタ?知らんなあ。
さて、ラーメンとは言えど麺だけしかないものを誰が食べましょう。具が必要です。もちろん演劇も同じです。キャストがただ舞台でセリフを言っているだけの演劇に魅力は感じません。ここでいう具は、所謂「裏方」です。例えば照明・音響・衣装・メイク・大道具・小道具etc……チャーシュー、ネギ、もやし、のり、味噌だったらコーン、塩だったらワカメやキクラゲなんかもいいですね。どれも1つとして欠けてはラーメンの魅力を損ねてしまいます。演劇も同じで、裏方なくして成立しませんし、当然一つとして欠けてはいけない重要な存在なのです。
さあ、ラーメンと言えばスープが重要です。ラーメンの味を出すのはスープの役割。このスープは演劇に例えると「演出」です。スープによってラーメンの味は変わります。麺の味を引き出す、と言った方がいいのでしょうか?演劇でも、キャストがどういう演技・動きをして演劇を作り上げるかは、もちろんキャストの腕もありますが、演出がどう動かすかによって決まりますね。演劇の完成度が決まると言っても過言ではありません。演出の力が素晴らしければとても完成度の高いラーメンが出来上がりますし、力及ばないと麺がスープを吸ってのびてしまいますね……
さてさて、所謂可食部は大方出尽くしましたが、これだけではまだラーメンではありませんね。当然のことながら、「丼/器」が必要です。この丼や器は、大元の演劇の脚本家や、それを演じるプロの方々を表します。今回辛夷の演劇に関わる人たちは誰だって、1度はDVDを見ています。その人たちの姿なしでは、もっと言えばその脚本すらなかったら、作られたラーメンは私たちが思い浮かべるラーメンとしての原型を留めることはできません。私たちの演劇が完成するのはそのプロの方々、脚本家のお陰なんだということは忘れないでいきたいですね。
さあいよいよラーメンができました。しかしこのままでは食べることはできません。食べる道具が必要です。ここでのお箸は、我々の演劇を見に来てくださる「お客様」です。どんなにいいラーメンがあっても、お箸なくして食べることはできませんね。手で食べようものなら盟神探湯みたいなものです。そしてレンゲ、これは我々のクラスの、担任の先生と表せます。最後のスープ1滴まで味わうには必需品です。演劇でも最後の一味を出してくれるのは……と僕は考えています。
これで全て揃いました……ようやくラーメンの完成です。ここにあるどれも欠けてはならない存在であり、多くの人の協力があるからこそ演劇が成立するということに感謝し、ラーメンの一部分として観客の皆様に「おいしかった」と言ってもらえるような演劇を作り上げていきたいと思っています。
コラコラ、レンゲ無くてもラーメン食べられるとか言わないの。



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